テレビ朝鮮の調査記者へのインタビュー

テレビ朝鮮の調査記者へのインタビュー   2018年6月3日   今月初め、DAFOHは韓国の新しい放送局「テレビ朝鮮」の制作者2名にインタビューする機会に恵まれた。昨秋、同局は、今なお続く、中国での臓器移植濫用を露呈するドキュメンタリーを放映。架空の親戚のために臓器を購入するふりをして、調査チームが中国本土に乗り込んだ。年間数千件の海外からの渡航移植を監視するある著名な病院で、整備された移植斡旋の有様を実録。ドキュメンタリーのライターShin Duho(左)とディレクターKim Hyeoncheol(右)に体験を尋ねた。    1. DAFOH:このドキュメンタリーを制作することになった発端は?   Kim Hyeoncheol:「ドキュメンタリーの制作者として、番組のトピックを見つける必要があります。時には新しい記事を検索します。オンラインのニュース記事が、国際移植学会で発表された韓国の移植医の論文を促進していました。新聞社は、ウェブサイトに載せるだけの重要な報道として、この論文を促進したのだと読みました。ただ、韓国人の中国への渡航移植者数は過少されていると思いました。2016年はわずか1名ということでした。年間少なくとも1000人というのは公然とした秘密です。この数を確認するには実際に目で確かめるしかありません。そこで、患者の代わりに中国に行きドキュメンタリーを制作することに決めました。中国の病院の訪問日に、韓国人の三家族を見かけました」   調査のきっかけとなったニュース記事。(英訳文から下記に翻訳) 「この調査により、2000年から2016年の韓国人の海外での臓器売買があることが、初めて確認された。   韓国人による海外での臓器売買は2005年の508人から2016年の1人に減少。2000年から2016年にかけての年間平均は130人である。論文の執筆者であるAhn, Hyung, Joon, MD, PhDは、2000年から2016年にかけて、臓器移植患者2,206人(国内の19.5%にあたる)を診た42軒の(韓国の)主要病院を調査した。このうち2,147人が中国から、33人が米国、10人がフィリピン、4人がシンガポール、4人がインドから臓器移植を受けていた。」    2. DAFOH:ドキュメンタリー制作にあたって困難だったことは? 恐れはありましたか?   Kim Hyeoncheol:「限られた時間と予算内で、通訳、連絡、準備をしてくれる調整役を見つけることが最も難しかったです。この問題のために調整する仕事は皆に断られました。危険すぎるから諦めるようにと勧められました。協力的な患者が自分のカルテを渡してくれ、自分が治療をうけた中国の病院に行くように招いてくれていましたが、ほとんど諦めかけました。しかし、出発の1週間前にこの訪問の調整役になろうという人が現れました。突然現れたので、時折大丈夫かなとこの調整役を疑ったりもしました」   Shin Duho:「危険を恐れたことはありません。調査ドキュメンタリーを制作する上で、ドキュメンタリーチームに常に危険は伴います。映像を制作するために十分な協力を情報源から得られず、締切に直面します。ですからメールでこのドキュメンタリー制作に協力してもらえるよう、DAFOHに要請したのです。周到に準備をし、中国の病院と研究センターでインタビューするために多くの創造的なアプローチをとる必要がありました」    3. DAFOH:ドキュメンタリーの反応は? 特に中国から来た人々は?   Shin Duho:「率直に言って、多くの韓国人は、中国での臓器源を個人的に疑問に思っています。韓国人には、臓器は非倫理的に摘出されたものだということは容易に受け入れられます。韓国は中国人を軽視する国の1つなので、臓器源を無視したり、まともな臓器源ではないだろうと思うことは容易です。朝鮮戦争の経験から、多くの韓国人は共産党政権の残酷さを感じており、「国家の敵」と宣言する者から腎臓、心臓、肝臓、膵臓を摘出することは中国共産党国家の典型的な行動だと受け止めています」   「ドキュメンタリー放映後、韓国移植協会のDr Haが、天津市議会の議員にこの問題について訴えました。議員はこの映像は最近のものでなく昔のものであると主張したので、法廷に持ち込まれました。ドキュメンタリーに収録されている中国へ持ち込んだチャート内の血液検査の記録などの証拠を通して、映像は最近収録されたものであると証明する必要がありました。韓国移植協会は2020年に世界大会を開催します。韓国移植協会にとってとても大切なことです。この法廷の件を公にすることが可能であるかは分かりません。最近のドキュメンタリーであることの証拠を求めたDr Haに聞いてください」    4. DAFOH:韓国人医師の反応に驚かれましたか?   Kim Hyeoncheol:「ドキュメンタリーでインタビューした医師からの質問にはすぐに答えられませんでした。あなた自身、移植が必要だったらどうしますか?と聞いてきたのです。ともあれ、正しい情報、臓器源、中国での臓器移植ビジネスを知った上で、視聴者にはより深く考えてもらいたいのです」    5. DAFOH:韓国政府が停止するための行動をほとんどとっていないことに驚かれましたか?   Kim Hyeoncheol:「韓国政府はこの状況についてほんの少ししか知りません。多くの緊急課題を抱えているからです。現政権の最後の時期に取り上げられるのではないでしょうか。複雑な問題で、個人的に繊細な部分も存在します。三年間に3,000人の韓国人が臓器のために中国に行ったという報告書もあります。可能かと思います。例えば、天津病院での韓国の患者の情報を中国で得ました。絶対にインタビューをとろうと思っていたら、さらに3家族もいました。統計のように中国に渡航移植する韓国人が年間1人であるはずがありません。現状を目撃しました。ご自身でも中国に行けば、我々のように真実が分かります」…

人類史上最悪の「悪魔の所業」 中国の臓器狩りの実態を語る

そこが聞きたい! インタビュー 人類史上最悪の「悪魔の所業」 中国の臓器狩りの実態を語る   デービッド・マタス氏 中国の臓器移植問題を調査している国際弁護士(カナダ)     (2018年6月のデービッド・マタス氏の福岡訪問の際のインタビュー記事が、フォーNET 7月号のトップ記事となりました。)   本来、医療技術の発達は、人類の幸福のために研究されているものであるべきで、またそうであるべきだ―しかし、その人類の叡智を悪用し、中国では現在、年間6万から10万件の移植手術のために、「良心の囚人」の臓器が収奪されている、というショッキングな事実を我々はどう受け止めればいいのか。(平成三十年六月七日に福岡市で開かれた『ヒューマン・ハーベスト 中国の違法臓器収奪の実態』 主催・SNGネットワーク 上映会・報告会で来日したマタス氏にインタビューした)   「アニーの告発」   ―今回の来日の目的から聞かせてください。 マタス 「アジア研究」をテーマとした神戸市の国際学会IAFOR(インターナショナル・アカデミック・フォーラム)に参加するために来日しました。その学会では『法輪功への迫害における民族主義的な側面』について発表しました。この機会を利用して、私たちが調査発表している中国の臓器移植についてドキュメンタリーの上映会、報告会にも参加しています。私たちは現在、中国のこの非道な行為を止めたいと思います。そのためには、日本の国民にこの事実を広く知ってもらい、日本が中国に加担しないように働きかけてもらいたいと思います。   ―私は、人権意識が全くない中国で違法で非道な臓器移植が行われているようだという認識は持っていました。しかし、日本ではこのことはほとんど報道されていませんし、国会でも取上げられないので、ほとんどの日本国民は実態を知りません。 マタス 問題はかなりの日本人が臓器移植のために中国に渡航していることです。二〇〇六年に私たちが調査を発表して以来、中国当局は外国からの渡航者の数を発表することを止めました。また、日本では臓器移植のために海外に渡航した患者を国に告知する義務がないために、実際の患者数は把握できていません。しかし、調査の過程で、実際に移植で中国を訪れた他国の患者から「日本人の患者に会った」という証言を幾つも得ています。   ―2006年から、カナダの元国務大臣デービッド・キルガー氏と共に、中国の「良心の囚人」(無実の人々)を対象に臓器収奪が行われている問題についての調査発表を続けていますが、この活動を始めるきっかけは? マタス 元々私は国際弁護士として人権問題に取り組んでいて、当時は難民問題を扱っていました。そのような時に「NGO法輪功迫害調査追跡国際組織」から調査の依頼を受けたのが始まりです。私たちが調査に乗込んだきっかけは、中国の病院で夫が医師として働いていたという「アニー」と名乗った中国人女性が、ワシントンDCで衝撃的な証言を行ったことでした。彼女の夫は二年あまりのあいだに二千件ほどの角膜摘出手術を行い、そのたびに月給の何十倍もの現金が支給されていたといいます。角膜だけではありません。心臓、腎臓、肝臓、肺臓など目ぼしい臓器を抜かれて空洞同然となった法輪功学習者の遺体は、そのままボイラーに放り込まれてつぎつぎ焼却されていったと告発しました。彼女の告発を受けてNGOからアメリカの下院に働き掛けがあり、下院委員会できちんとした裏づけ調査がなければ動けないと言われ、私たちに依頼が来ました。   ―調査の方法は? マタス まずは中国で行われている違法な臓器移植が真実なのか、それとも嘘なのかを決定することでした。まず、それを実証する証拠を集めていきました。中国では臓器移植についての情報は厳重に秘匿されています。中国当局に収容され運よく国外に逃れられた法輪功の人々や中国に移植手術のために渡航した本人や家族、告発者にインタビューしました。この他、中国の統計、各病院のウェブサイトも参考にし、病床数、利用率、職員数、助成金・賞与金などの詳細な事項も調べました。もう一つの調査方法は、電話による抜き打ち取材です。約十ヵ月間にわたり、調査員が患者家族を装い、移植認可を受けた中国国内百六十九の病院に電話を掛け、病院の施設状況や手術内容を直接聞き出す方法です。  こうした調査によって、それぞれの情報の真偽を確認したのですが、虚偽を裏付ける証拠は一つもありませんでした。その結果、中国での違法な臓器移植は真実であると結論付けたのです。   人類史上最悪の虐殺   ―移植件数はどれくらいあるのですか? マタス 私たちが調査を始めた二〇〇六年当時、中国当局は死刑囚の臓器を使った移植件数を年間一万人と発表していました。しかし、その数字と実態が大きく乖離していることが分かっています。一九九九年以前の中国の移植病院は百五十軒、二〇〇六年に中国衛生部は新たに移植病院の認可制度を導入、千軒の病院が申請し、そのうち百六十九軒が移植手術病院として認可を受けました。我々がその病床数、稼働率から割り出した年間の移植手術件数は最低でも六万五千件から十万件になります。移植設備のあるこれらの国家認定レベルの病院は、稼働率が軒並み百%を超え、患者一人あたり一ヵ月を入院期間と想定すると、例えば病床数五百の天津第一中心病院では年間約八千件の手術が行われていることになります。このようにして調査していったところ、中国における臓器移植の実態は、中国政府による公式発表の実に六倍から十倍なのです。   ―移植手術を受けた日本人の数は把握しているのですか? マタス 私たちの調査前までの中国の発表では、移植のための海外からの渡航者は全体の二〇%という数字を出していましたが、今は公表していません。また、私たちが「良心の囚人」と呼んでいる収容されて臓器を抜かれている法輪功学習者などの存在は認めていません。日本からの渡航者を把握するためには、医療関係者から国家への告知の義務化が必要です。   ―中国の法輪功学習者が迫害を受けていることを中国の一般国民は知っていているのでしょうか? マタス まず、なぜ法輪功なのかから説明します。法輪功は心身を向上させる中国の伝統的な修煉方法で、中国政府は一九九〇年末までに七千万人の中国国民が修煉していると発表しました。共産党員を上回る数となったため、当時の江沢民国家主席が、法輪功学習者の拡大に脅威を覚えて、迫害し始めたのです。また、中国国内では政府の「法輪功は邪教である」というデマが流されました。法輪功が臓器移植のために虐殺されていることは秘匿されています。私の報告書もインターネットがブロックされていますから、中国国民は知ることはできません。法輪功学習者は迫害されていることを知っていますが、それでも学習する人は絶えないそうです。   ―国際社会が臓器移植に反対する動きに対する中国の反応は? マタス 私たちの調査が出た時に、中国はほとんどの臓器は提供されたものであると回答しました。しかし、当時の中国には臓器提供、ドナーの制度はありませんでした。その後、中国は死刑囚の臓器を使っていると認めます。中国政府はその後、二〇一五年には死刑囚からの臓器は使わず、総て自主的提供者からのものだと発表しましたが、その数は移植手術数と大きく乖離しています。私たちの報告を中国は、単なる噂に過ぎないと否定しましたが、一つひとつ裏付け調査したもので口伝えのものは総て排除しています。また、証拠の数字は総て、この報告を否定している中国が発表したものです。中国政府の否定は全く辻褄が合わないのです。   ―この事実を突き止めた時は、どんな気持ちでしたか? マタス 背筋が凍る思いがしました。囚われて逃げ出すことができた法輪功の学習者にインタビューすると、収容中に定期的に血液、内臓検査を受けていたと異口同音に答えました。彼らにとって過酷な拷問に比べれば検査は苦ではなかったようです。この事実を知った時には、衝撃というよりも悲しい気持ちでした。ユダヤ人である私は、弁護士としてナチスのホロコーストの戦争犯罪人を追及する活動もやっていました。この体験から、人間の堕落には際限がないということを突きつけられました。本来人命を救うために開発された移植技術という最先端技術が、人命を奪うために使われてしまっています。中国が臓器移植を産業化して金儲けの道具に人命を簡単に奪ってしまう。移植手術を開発した人たちは、まさかこうしたことに使われるとは想像もしなかったでしょう。将来こうしたことに使われないよう歯止めをかけておくべきでした。   ―アインシュタインも自分の理論が大量殺戮兵器になるとは思わなかったでしょう。 マタス アインシュタインはまさか残虐な兵器に利用されるとは露とも思わなかったでしょう。アインシュタインは元々時計の技術士でした。自分が考えた理論が悪用されることが分かっていたら、時計の技術士のままだったでしょう。広島・長崎への原爆投下は確かにショッキングな出来事ですが、明らかに目に見える証拠があります。しかし、手術室という密室で行われる臓器移植は闇に包まれていて、中国政府は否定していますから、それを実証するのはかなり困難でした。人類はこれまで様々な悪行を重ねてきましたが、これほど邪悪な悪行はありません。中国の臓器移植はホロコーストよりも性質が悪い、人類史上最悪の虐殺だと思います。ホロコーストには、ユダヤ人への妬み、憎しみ、嫌悪などの人間的な感情がありました。しかし、中国の臓器移植は単に金儲けのために殺人が行われているのです。人間的な感情が全くない、国家的な犯罪なのです。   犠牲者は法輪功、新疆ウィグルなど無実の人々   ―中国の臓器移植のやり方ですが、ドナーを脳死状態にするのですか? マタス ドナーという言葉は正確ではありません。臓器提供を望んでいるわけでなく、強制的に抜取られているわけですから。臓器を取られる人たちは脳死状態にされるのではなく、麻酔をかけられ生きたまま手術されます。臓器を取られているのは無実の人々です。莫大な数の法輪功学習者や新疆ウィグルの独立運動家など政治犯がその犠牲になっています。   ―国家による殺人ですね。こうした中国の暴虐に対して世界各国の反応は?…