広島『知られざる事実』上映会 エンヴァー・トフティ氏 ウイグルの現状を語る

広島『知られざる事実』上映会
 エンヴァー・トフティ氏 ウイグルの現状を語る
 

10月14日、広島市アステールプラザにて「メディカル・ジェノサイドを考える広島市民の会」(石橋林太郎県議会議員代表)と「移植ツーリズムを考える会」の主催で、ゲストにエンヴァー・トフティ氏を招いてのドキュメンタリー『知られざる事実』の上映会が開催されました。

中国新疆ウイグル自治区出身の元外科医であるトフティ氏は、自己の倫理的な行動のために国を追われる身となり、現在英国に在住。

上映会の後の質疑応答の内容をご紹介します。

 

石橋議員:なぜイギリスに住むことになったのですか?

トフティ:英国のドキュメンタリー「死のシルクロード」の制作協力に携わったためです。中国政府は1964年10月16日から1996年7月26日にかけて46回の核実験をウイグルのロプノール地区で行いました。私は病院の外科医として被爆によるガン患者の数がこの地区で多いというデータを構築し、初めてこの核実験を数値で実証しました。

 

石橋:映画でも証言されていたのですが、イギリスに移られてから罪の意識にさいなまれるようになった過程を教えていただけませんか?

トフティ:中国では毛沢東政権のもとで洗脳されて育ちました。共産党を好まないものは「国家の敵」とされていたので、臓器を一度だけ摘出させられた当時、罪の意識はありませんでした。そしてイギリスに来てから「人権」という概念を知り、すべての人間に生きる権利があり、人が人を殺すことは許されないことであるという意識が高まりました。今、こうして話をさせていただくことで、自分の罪が少しでも軽くなればと願っています。

 

石橋:現在のウイグル(東トルキスタン)での臓器収奪の状況を教えていただけませんか?

トフティ:この写真をごらんください。

ごく最近の写真です。文字から新疆自治区のどこかであることが分かります。臓器を運ぶための優先通路が空港に設けられるということは、それだけの数の運輸が行われているということです。

学術論文に発表されていた内容ですが、武漢の病院で「ドナーが運び込まれ、麻酔がかけられ、気管挿管が入れられ、心臓と肺臓を摘出した」という描写がありました。ドナーは生きていたのです。あまりにも通常の手順のため、医師が事実を隠すことさえ忘れているのです。

レシピエントと組織適合するドナーを確保するには、かなりの人体の備蓄が必要です。

ウイグルでは身体検査プロジェクトと称して、2016年9月から2017年3月にかけて、地域の98%が強制的に身体検査を受けました。心臓、血液、DNA、尿、血糖値などが取られたそうです(詳細はラジオ・フリー・アジアで報道されています)。検査結果が個人に通達されることはなく、ウイグル人のデータベースが作られていると私たちは考えています。

 

石橋:ここで1999年の迫害以降、臓器収奪のターゲットとなってきた法輪功の学習者の方に一言、お願いできますか。

清光(移植ツーリズムを考える会):法輪功は、真善忍の理念が古代の思想であったため、中国では一億人が法輪功をするほどまで広がりました。中国共産党の一党支配とは相入れない理念でした。そのため「肉体を消滅させ、名誉を毀損し、経済を断ち切る」という命令のもとで迫害が始まりました。中国政府はプロパガンダを流布して法輪功を非人間化していきました。法輪功学習者による焼身自殺のニュースは世界中に流布されましたが、この自殺が信ぴょう性にかける点が多々あります。まず法輪功は自分を含めて殺生をしないし、健康になるので自殺する必要もありません。また、自殺を図った人の座禅ができていない、髪の毛が焼けていない、警備の者が消火をしているが天安門広場の厳重警備を考えたらそれ以前に止められたはず、などです。

先ほどのトフティ先生がおっしゃったように、中国が一番であり、反対する者は「国家の敵」ととられるのです。また映像にも、政府が望まないものを抱く者が囚人ともありました。全く無実な法輪功がここにはまり、臓器収奪のターゲットになったと思います。

 

一般の質疑応答で「何ができるのか」という質問には、「中国を変えることができなくても、日本人が中国への渡航移植を防げるように法律を変えていくことはできる」という解説がありました。周りの人に伝えていき、渡航移植を考えている人に事実を知ってもらうことも大切です。

一人の方からの「国民に選ばれた政府ではないので、政府を国民が止めることはできない。非常に大きな問題で、質問になりません」というコメントに対して、トフティ氏が深々と頭を下げて、問題の複雑さ、大きさへの理解に感謝されていました。

中国の元外科医、臓器狩りの証拠を提供―アイルランドの外務・通商・防衛共同委員会で

中国の元外科医、臓器狩りの証拠を提供―アイルランドの外務・通商・防衛共同委員会で
 

 
エンヴァー・トフティ・ブグダ氏は、1990年代に処刑された囚人から臓器を摘出した中国の元外科医。2017年7月6日、アイルランド、ダブリンの外務・通商・防衛共同委員会で証拠を提示した。(TheJournal.ieより転載)
(証言のビデオ付き)
 

ご列席の皆さま

 

証言者としてここで発言する機会をくださったことに深く感謝申し上げます。私の名前はエンヴァー・トフティ・ブグダです。処刑された囚人から臓器を摘出した元外科医です。この話をするたびに、告白をさせてもらっています。

 

「社会で最も尊敬される人々がどうして殺人者になりうるのか?」という疑問は最も多く私に投げかけられました。

 

理解するには中国人のように考える必要があります。中国社会で生まれると、最初から洗脳のための洗濯機の中で育ち、社会の一員として完璧にプログラミングされ、疑問を抱かずに職務をこなす準備がなされます。ジョージ・オーウェルの『1984年』で描かれている完全主義国家が現実化されている社会です。

 

臓器が盗み取られているという噂は1990年に遡ることができます。当時私は、若く、エネルギッシュな医師でした。社会で最も輝かしい将来が期待されていた腫瘍外科医でした。ウルムチの中央鉄道病院に勤務していました。外来患者を診ていた時、少なくとも三人の児童の身体に傷がありました。臓器を盗られたことを示すものでした。

 

1995年、私が臓器を盗ることとなりました。ある水曜日、主任外科医に呼ばれました。最大限の外科手術ができるようチームを召集し、翌朝、指示に従うように言われました。翌朝9時半に病院の門に集まり、西山処刑所へ向かいました。銃声が聞こえるまで待つように言われました。銃声が聞こえたので、急いで駆けつけました。武装警官に右端に行くように指示されました。そこには民間の服を着た男が横たわっていました。右胸に一撃を受けていました。

 

主任は肝臓と腎臓2つを摘出するように私に命じ、指導しました。男は生きていました。私のメスを拒みましたが衰弱のため抵抗できませんでした。血が出ました。まだ生きていた証拠です。罪悪感はありませんでした。何も感じませんでした。この仕事をするためにプログラムされたロボットになったかのようでした。「国家の敵」を消すために義務を果たしていると思いました。

 

手術の後、主任は臓器をこれまで見たこともない箱に入れました。そして「チームを病院に連れ戻して良い。何もなかったことにしろ」と言いました。私は指示に従いました。誰も口にしませんでした。

 

「1つ買えばもう1つは無料」という販売促進手法は、臓器移植でするべき行為ではありません。心臓移植を予定することは誰かを死なせるということです。顧客獲得のために臓器を無料で提供するということは、底をつきない臓器の供給があるということです。生体で脈打つ臓器がオンデマンドでの摘出のために確保されていなければ可能ではありません。

 

昨年6月、中共は新疆のウイグル人に無料で身体検査を行うというニュースが発表されました。理由は説明されていません。中共が臓器売買のための国内データベースを構築しているのではないかと疑念を抱いています。中共によるウイグル人のDNA検査は広く報告されています。ウイグル人の生活向上をはかるという名目ですが、虚言であると確信します。

 

現代の中国大陸に「倫理」という言葉はあるのか?

2016年12月4日(大阪大学)
第28回 日本生命倫理学会 年次大会

シンポジウム「臓器移植と正義」
エンヴァー・トフティ氏の発表内容
要約:

現代の中国大陸に「倫理」という言葉はあるのか?

中国の医学論文を分析したビデオ「動かぬ証拠」(参照:Harvesting Alive)に中国での臓器収奪の事実が指摘されている。私自身、1995年にウイグルで生きている囚人から臓器を摘出したが、欧米の文化圏で生活するまでは罪の意識はなかった。 歪曲した精神構造で 人間の尊厳を完全に否定する現代の中国大陸では、残虐行為が行なわれている。世界のコミュニティーが中国への移植ツーリズムへの資金源を断ち切り、合法的なドナー合意書の要求を提案する。

パワーポイントの内容

Slide 1 (「動かぬ証拠」のビデオより)vimeo.com/178642565

手術室に運ばれるドナーは 息をしている

全身麻酔が行われる 
気管内挿管が適用される 

 (遺体であったら不要な作業)

ドナーが生きているという証拠

Slide 2

待ち時間は4時間の場合もある。平均は1−2週間

1999年以前は、中国で肝移植のできる病院は19軒にすぎなかった。1999年〜2006年4月までには500軒に増加
2000年が分岐点。臓器移植件数は10倍。2005年は3倍増
臓器移植の目的で莫大な人数が拘束され、ドナーの巨大なプールが存在する

Slide 3

(新疆の病院での自家肝移植手術において、予備の肝臓を2つ確保するために

  二人の人間が犠牲になった。手術は成功し予備の肝臓は不要であった)

Slide 4

中国全体では、人々は生まれたときから洗脳され、民主主義、自由、人権を体験する機会が与えられていない。中国共産党政権のもとでは、社会における最低限の倫理基準を忘れてしまった
共産党政権下では、人々は権威への梯子を登ることに熱心。権威を登りつめたものは、出身地に対して何もせず、悪魔化してしまう。
共産党政権下では、党員以外の個人は国家の敵とみなされ、あらゆる罰を課せられる可能性がある。医師は権威側にいるので、国家の敵を消去する義務があると考えている。この精神構造のため、中国ではこのような悲劇が起こっている。私自身、欧米の文化圏で生活するまでは、罪の意識はなかった。歪曲した精神構造から私は出てきたことが分かった。
人間の尊厳を否定する社会であるから、これほどまでの残虐行為が行えることも納得できる
このため、中国語に「倫理」という言葉が存在するのか、疑わしく思っている

Slide 5

新報告書の結論

中国における臓器移植の件数は、中国政府の公式な数字をはるかに上回る。
産業化されている成長ビジネス。
膨大な量の臓器の供給源は、無実の人たちを殺害して成り立っている。すなわち、ウイグル人、チベット人、中国家庭教会の信徒たち、そして主に法輪功の学習者。
中国における臓器収奪は、共産党、国家機関、医療システム、病院、移植専門医すべてが共謀する犯罪。

Slide 6

問題解決のための私からの提案

世界のコミュニティーが中国への移植ツーリズムを禁止し、資金源を断ち切る
処刑された囚人が証人の前で署名したドナー合意書を示すように中国政権に要求する

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同シンポジウムとトフティ氏の重い証言については、『中国の臓器狩りに絡む「日本」』(高橋幸春)と題して『医療経済』2017年1月15日号で紹介されています。