2018年報告書のプレスリリース

新報告書: 中国での移植濫用 ―まやかしの改革
 

ニューヨーク発:中国政府が改革を主張する中、良心の囚人からの大規模な臓器収奪など、過酷な移植濫用は現在も続行中。中国臓器収奪リサーチセンターによる7月2日発表の新たな調査が裏付ける。

 

新報告書は、世界中の移植専門医が2年に1度、一堂に集う国際移植会議(TTS 2018)の場で発表。

 

報告書によると「中国は、他国が数十年かけて構築した自主的臓器提供の枠組みを、わずか数年で可能にしたと断言する。中国政府発表の数字では、臓器の自主的提供が移植臓器源全体に占める割合は2013年の23%から2014年には80%へと飛躍し、2015年には自主的提供が単独の臓器源となったことを示している。わずか1~2年で100%の転換をはかることはありえない」。オンデマンドで行われる移植手術の証拠やデータ改ざんなども鑑み、多くの臓器は、良心の囚人など、自主的な臓器提供者以外から摘出されていると著者らは帰結する。

 

342ページに及ぶ報告書では、数百軒の移植病院、政府・業界の声明、公式政策・法規、様々な地域での実際の自主的臓器提供者数、脳死判定基準の濫用、中国国内の臓器提供・移植制度の広域な運用を分析。「人権弁護士デービッド・マタス氏、元カナダ国務大臣(アジア太平洋担当)であり元国会議員のデービッド・キルガー氏、調査ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏による2016年6月に発表された報告書以降の新たな証拠を浮き彫りにする」と同報告書の共著者ヒュイグ・リ博士(マインツ大学医療センター)は語る。

 

新報告書の主要点は下記の通り:

 

自主的臓器提供を上回る臓器移植件数:自主的臓器提供者数は、移植産業の規模と比較して、これまで同様、極めて低い状況にある。2017年末の時点で、公式の臓器提供登録者数は373,536人であった。登録者数に対する提供者数の米国での比率をあてはめると、中国の臓器提供者数は29名未満となる。各地域の臓器提供者数(主に集中治療室での非登録者からの臓器)を合計しても、中国が公表する年間1万5千件の移植手術をとうてい満たさない。さらに、中国の病院では毎年、この公表値を遥かに上回る数万件の移植手術が行われている。

 

今も続く渡航患者へのオンデマンドによる移植手術:国外の者に対して移植は行わないという中国の公式声明が、最近の調査で虚偽と判明した。2017年10月、韓国の主要テレビ局の記者により、現在もアジアと中東の患者が中国最大手の移植センターに群れをなして渡航していることが明らかにされた。待ち時間が数日か数週間で、病院に金銭的な「寄付」をすれば手術の日が早まると患者が言われたことを報道している。

 

改革声明に追いつかない規定の整備:中国の臓器提供制度および規定の枠組みは、いまだに未熟な段階で、オンデマンドで行われる中国の移植件数を支援することは不可能だ。自主的臓器提供制度を監視する機関は抜け殻状態であり、ほとんどの臓器は、国際社会で中国がしばしば提示している中国臓器提供割当制度から来るものではない。

 

別の臓器源は現在も必要:中国での移植件数は自主的提供による臓器源だけでは支えられない。さらに近年、犯罪者の処刑が縮小したと専門家は認識していることも鑑みて、ほとんどの臓器が別の源から来ていることは否めない。多くの証拠から、これらの臓器は法で裁かれることなく殺害されている良心の囚人から摘出されたものであることが示唆される。今も最大の臓器源は法輪功学習者からのものであると思われる。彼らは系統的に投獄され拷問を受け、強制的に血液検査やその他の臓器の機能に関する医療検査を受けている。最近では新疆ウイグル自治区で大規模な拘束と医療検査が行われており、ウイグル人を対象として強制臓器摘出の可能性を高めている。

 

アーサー・L・キャプラン教授(ニューヨーク大学医療科医療倫理部門長)は同報告書の「まえがき」で次のように述べている。「この丹念に裏付けられた傑出した報告書が示すとおり、中国では今なお、人権侵害を許し、自国の民族をぞんざいに扱い、移植臓器獲得のための殺人が許されている。…世界の移植医のコミュニティーと政府が読むべき報告書である」

 

中国によるPRキャンペーン、信憑性の低いデータ、攻略的なビジョン、移植センターの公開、国際フォーラムでのプレゼンテーションを通して、一部の国際的な移植機関は中国の偽りの改革を受け入れてしまっている事実を同報告書は指摘する。「中国政府による改革声明を額面どおり受け入れることの問題性を、我々の調査は裏付ける。この報告書をきっかけに、国際機関による中国の移植産業への関わりを再査定することになるよう望む」と同報告書の著者 兼 リード・リサーチャーのグレース・イン氏は語る。

 

「アジアの別の地域、一帯一路地域、さらに世界へと臓器を受け入れる合意を広げていくことで、中国政府は国際社会をこの犯罪に巻き込む可能性をはらんでいる」と報告書の著者たちは警告している。

 

2018年報告(英語原文):https://www.chinaorganharvest.org/app/uploads/2018/06/COHRC-2018-Report.pdf

 

詳細はDavid Li:david.li@chinaorganharvest.org または713-410-2705まで。

 

中国臓器収奪リサーチセンター(COHRC)は非営利団体として、臓器のために良心の囚人を殺害することを含む、中国での臓器移植濫用に関して、権威ある調査・提示を行っている。中国および中国外の幅広い情報源からの証拠の収集・分析にあたる。報告書の発表、政府機関や非政府機関へのアドバイスに加え、米国内の医療関連の会議で調査結果を発表。主要な調査者らは、リサーチセンター設立以前から、中国の臓器移植制度の研究に10年以上取り組んでおり、CNN、ニューヨーク・タイムズ、PBS、グローブ&メール、ロンドン・タイムズの記事で言及された報告書にも貢献している。