はじめに

過去10年にわたり、中国政権が「良心の受刑者」を殺害し、利潤の高い巨大な臓器移植産業に臓器を供給しているという報告書が出されてきました。主に中国の資料源をあたり、新しい証拠や数値を掘り出し、人権侵害の規模と性格が今、露わにされました。

2016年6月22日、三人の独立した調査者が680ページにわたる報告書を発表しました。国家が駆り立てる移植業界での移植件数は、中国の公式発表の10倍にあたることが示されました。中国側は、処刑された囚人と自主的に臓器を提供するドナーから臓器を得ているとしています。

中国での臓器収奪は、世界のメディアが注目しています。米下院議会、英国議会、欧州議会で公聴会が開かれました。米下院と欧州議会は臓器収奪を譴責する決議案を通過させています。

「中国[共産党]政権による、個人の自由を剥奪し、強制労働所や牢獄に監禁し、処刑し、移植のために臓器を収奪するという残忍で非人道的な行為は、理解の範囲を超えるものであり、普遍的に反対され、無条件に停止すべきです」

— 米下院議員 共和党 フロリダ州代表 イリアナ・ロス=レイティネン

10年間の調査

2006年3月、自分が働いていた中国北東部の病院で、4000人もの法輪功修煉者が臓器のために殺害されていたと告発した女性が、この問題を明るみに出しました。同じ病院で外科医をしていた前夫が、2000年から2001年の間に、2000人以上の生きている法輪功修煉者から角膜を摘出したことを打ち明けたことを語りました。

これを受け、元カナダ国務省アジア太平洋担当大臣デービッド・キルガー氏と国際的な人権擁護の弁護士デービッド・マタス氏が独立調査を行い、「疑惑は真実であるという遺憾な結論」を導き出しました。調査結果は共著『中国臓器狩り』にまとめられました。

面接調査を基礎とするジャーナリスト、イーサン・ガットマン氏はその後7年間を調査に費やし、著書『The Slaughter』の中で同様の結論を出しています。

2016年、三人の調査者は共同で、中国全域における数百件の移植専門病院での業務についての根本資料に基づく調査を査定しました。メディア報告、公式発表、医療機関誌、病院のウェブサイト、ウェブを保存したアーカイブからの情報を収集した結果、臓器ドナー制度が存在しないにもかかわらず、中国の移植産業はわずか数年で、世界で最も多産に数えられるようになったことが明確となりました。

「中国全域を通して、身の毛のよだつ臓器取引が大規模に行われています。ホラー映画のように、肝臓、腎臓、心臓、肺、角膜が、生きている『良心の受刑者』から切り取られているのです。この血まみれの残忍な行為こそ『人道に反する犯罪』といえましょう」

— 英国保守党 人権委員会副議長 ベネディクト・ロジャーズ

オンデマンドの移植手術

高度なヘルスケアを備え、ドナー制度や臓器分配制度が十分に整っている国では、移植患者は通常、数年間、臓器を待ちます。中国では、腎臓・肝臓の待ち時間は通常、数週間と表示されています。2006年の肝移植登録報告によると、抽出された4311件の肝臓移植の26.6%は「緊急」の状況で行われています。数日、時には数時間内で臓器が入手されているのです

「ドナーが結合するレシピエントを探しています」と広告を出している病院すらあります。さらに「手術が失敗しても、成功するまで移植手術をやり直します」とも確約しています。様々な移植タイプ、価格は、この文を書いている現在、病院のウェブサイトから入手可能です。

移植専門医は、拒絶反応のため、もしくは予備の臓器を用意しておくため、同じ患者のために続けて複数の臓器を調達します。結合が成功するまで、一人の患者に対して8つの腎臓を用意したというケースもあります。
中国では患者が同じ臓器のために数回移植手術を受けることは珍しいことではありません。中医学の病院にある臓器移植センターの外科医長が発表した、50人の患者を対象とした研究では、各々の患者が2、3、4回の腎臓手術を受けています。

いつでも入手可能な臓器源が豊富にあり、結合する患者を待っていることが、大量の証拠から裏付けされています。

逆方向の臓器提供

「中国の良心の受刑者が、臓器のためにオンデマンドで殺害されているという信頼のおける証拠があります。逆方向の組織結合の過程で行われており、世界のどこをみても例がありません。死亡したドナーから臓器を調達する制度が整ったほとんどの国では、亡くなる人から合法的、倫理的に摘出された臓器が、ウェイティングリストの中で最も適合するレシピエントに提供されます。中国ではこの過程が逆になっています。富裕なレシピエントに最も結合する囚人が、拘束された大量の囚人の中から選別され、外科医とレシピエントの都合に合わせて処刑の予定が組まれます」

— 臨床倫理学教授、マカリー大学 人為作用・価値・倫理研究センター副所長 ウェンディー・ロジャーズ

大量の移植件数

外科医チームは休みなく移植手術を行い、病床は収容患者数を超える利用率で、移植病棟は拡張し、新たな施設が建設され、移植手術の認定を受けている病院数を169から300へとほぼ倍増する野心的な計画がある、という広範囲に及ぶ報告書を調査者は見つけました。

中国は移植件数を毎年1万件と公式発表しています。しかし、わずか数軒の病院を調査しただけで、移植件数は1万件を大幅に上回ります。

政府が要求する移植センターの患者収容最低数に基づき算出すると、169の移植認定病院では年間6万から10万件の移植が可能となります。中国の移植制度全域にわたる収容患者数を2000年から総計すると、100万件を超えます。

この数値は全体像からはほど遠いようです。2007年、1000軒以上の移植病院が、移植業務を続けられるように中国衛生部に認可申請していることが分かりました。これらの病院は衛生部が要求する最低の収容能力を備えていることを示唆します。申請した多くの病院は認定を受けられなくても移植手術を続けています。

不明な臓器源

中国では、遺体はそのままの状態で葬られる風習があります。2010年まではドナー制度も導入していません。自主的に臓器を提供できる制度が全国的に導入されたのは2013年のことですが、臓器提供はほとんどありません。国際機関は中国での処刑者の数を毎年数千人と推定していますが、2000年より下降傾向にあります。中国政府は2015年初めには死刑囚からの臓器を用いることは停止すると約束しています。

中国の臓器移植制度がスタートした2000年以来、中国政府は臓器源は自発的なドナーと処刑された囚人としてきましたが、その数は毎年数千人程度です。中国での臓器移植において、わずかな割合を占めるに過ぎません。ほとんどの臓器源の説明はなされていません。

「私どもは生きているドナーから腎移植を行います。死体から摘出された腎移植とは全く異なります」

— 国際移植ネットワーク支援センターのウェブサイトより

「米国でもヨーロッパでも、まず死んでからドナーになります。中国ではドナーにするために死なせます」

— 米国の医療倫理学者 アーサー・キャプラン

犠牲者

中国の移植業界の暗闇に、全く別の臓器源が存在します。合意していない「良心の受刑者」です。中国北西部の新疆に住むチュルク系のイスラム教徒、ウイグル人から始まりました。拘束されたチベット人、中国家庭教会(全能神)へと対象が拡張されていったことを事例証拠が示しています。しかし、大多数の対象者は法輪功の修煉者です。

中国での移植制度の本格的で大規模な発展と中国共産党による法輪功撲滅運動の時期が重なるのです。

1999年以降、累増する中国の臓器移植業界

法輪功は、健康・自己の向上をはかる中国古代の伝統に基づいた修煉法で、真善忍を理念とします。

1990年代末、中国政府は7000万人以上の人々が法輪功を修めていると推定しました。中国共産党の江沢民・元主席は、法輪功の人気と伝統的な価値観の復興を、自分の統治に対する脅威とみなし、「(法輪功修煉者を)破産させ、中傷し、その肉体を破壊する」暴力的な迫害運動を開始しました。

数十万人の法輪功修煉者が嘆願するために中国全域から北京に訪れましたが、逮捕され拷問されるだけでした。家族や友人に迷惑がかからないように、多くの嘆願者は身元を明かすことを拒否しました。このため、名前のない人間が数多く国家に拘束されることとなったのです。中国全域で多くの修煉者が一斉検挙されました。こうして、修煉者が跡形もなく行方不明となる現象が始まったのです。

死刑囚の多くとは対象的に、法輪功修煉者は、酒、タバコ、薬剤の摂取を避けるので、通常の囚人に比べて健康です。法輪功修煉者だけが血液検査、臓器検査を強制的に受けていると広範に報告されています。調査者はこれらの検査は、修煉者が臓器源の対象になっていることを示すものとしています。

Video: 法輪功の迫害 by Swoop Films

「この最新報告書および以前の調査報告での最終結論は、中国が良心の囚人を移植用の臓器を調達するために大量に殺人していることです。主な対象は精神修養法である法輪功の修煉者ですが、ウイグル人、チベット人、そして選別された中国家庭教会(全能神)も対象となっています」

— 中国の臓器摘出に関する新報告書の共同執筆者、国際的な人権擁護弁護士、2010年ノーベル平和賞候補 デービッド・マタス

国家が後援する殺害

2000年以来、中国の国家計画、プログラム、その他の国家基金に臓器移植関連のプロジェクトが数多く組み込まれるようになりました。

医科大学や付属の移植センター、軍病院、民間病院の大多数は、政府各層からかなりの資金を受けています。中国政権は10年以上にわたって、臓器移植を国家戦略の一部とし、移植技術の研究・開発・産業化・人材養成にかなりの投資をしてきました。

こうして医療制度内で臓器への需要が高まる実情と平行して、法輪功修煉者を悪魔化した残忍な迫害が行われました。 悲惨な結果は容易に予想できます。

「毎年これほどの数の臓器移植手術を可能とした政府の支援に深く感謝する必要があります。特に、最高人民法院、最高人民検察院、公安制度、裁判制度、衛生部、民政部が共同で法規を公布し、臓器調達に対する政府の支援と保護を確立しました。世界でも類のないことです」

中国国際臓器移植支援センター(CITNAC)のウェブサイトより

「政府が産業化された事業を運営し、国民を殺害し、その臓器を売却する国は、世界で中国だけです」

— 元カナダ国務省アジア太平洋担当大臣、2010年ノーベル平和賞候補 デービッド・キルガー

中国での生体臓器移植の経緯

1960年代

  • 中国で初めて人間の臓器移植が行われる

1970年代

  • 中国で臨床での臓器移植が始まる

1980年代

  • 中国政府が布告した規制に基づき、処刑された囚人が臓器源となる

1990年代

  • ウイグルの政治犯が臓器源の対象となる

1999年

  • 法輪功への迫害が始まる

2000年

  • 移植件数と移植センターが激増し始める

2006年

  • 法輪功修煉者から大規模に臓器が強制収奪されている、と独立調査が帰結する

2007年

  • 中国政府は死刑囚(良心受刑者とは異なる)からの臓器調達を停止することを約束する

  • 中国衛生部は164の病院が臓器移植を続けることを認可する

2014年

  • 中国衛生副部長の黄潔夫は、死刑を宣告された囚人は統合された臓器割当制度の一部であり、自主的に臓器を提供する市民としてみなされると発表

2015年

  • 中国政府は処刑された囚人の臓器を用いることを停止すると発表

2016年

  • 6月22日、3名の調査員が680ページの最新報告書を共同で発表。中国での移植手術の規模とオンデマンドでドナーが殺害されている状況、移植件数がこれまでの推定を遥かに超えている調査結果を報告

中国共産党 ― その背景と沿革

中国共産党についての考察

デービッド・マタス 著

  • 国家は中国共産党の表の顔にすぎない
  • 中国共産党には法律は適用されない
  • 中国共産党は法的権限なしに弾圧することができる
  • 中国共産党の資本主義への移行は、道徳観の空洞を作った
  • 中国共産党は優先的に法輪功を弾圧する
  • 中国共産党は法輪功を組織と見なしている
  • 中国共産党による法輪功迫害の動機とその正当化にはギャップがある
  • 迫害に関しては党内は不統一
  • 党内の権力争いは法輪功を中心に展開
  • 残虐行為につながる党による法輪功の非人間化
  • 共産党の露骨な不誠実さ
  • 中国共産党による系統的な隠蔽工作
  • 中国共産党は語彙をゆがめる
  • 中国共産党の海外での宣伝活動
  • 国外にいる中国人にも嫌がらせする中国共産党
  • 共産党は迫害の目的で権力を国外で行使する
  • 中国共産党は国外でも検閲を試みる
  • 海外で隠れ蓑を利用する中国共産党
  • 中国共産党の国外での脅迫活動
  • 国外で党の路線に寄り添う者に恩恵を与える中国共産党
  • 人権問題を中国と討議することは無意味
  • 中国共産党は無礼な態度と甘い言葉の間を行き来するだけ。結果は変わらない
  • 中国共産党に対しては政治的な圧力より同僚からの圧力の方が効果的
  • 過去の説明を拒否する中国共産党
  • 中国共産党は中国ではない

国家は中国共産党の表の顔にすぎない

中国の共産党と国家の関係は、他の民主主義国家とは全くもって異なります。民主主義国家では政府が統治しますが、中国では共産党が国家の手綱を握っています。国家の役員は、いわば共産党に操られた人形にすぎません。

あらゆるレベルの国家および法的機関の要職に共産党員が配置されています。国家は党の表の顔にすぎないのです。

中国政治の頂点では党と国家が合併します。中国共産党の最高指導者が国家の最高指導者となっているのです。頂点以外の場所では、党の役員が国家の役人に指示をするという風に、この二つのシステムは分離しています。

共産党はほとんどが公には運営されません。表面上、政策、裁決、法律は国会が決めるように見せかけていますが、実際は、党が裏でそのすべてに対しての決定権を持っているのです。

参考として周永康の例をあげます。周永康は2002年から2007年の間、中国政府の公安大臣を務めていました。その後2007年に共産党中央政法委員会書記に任命され、2012年まで務めています。

民主主義国家では、官職から党員への移動は地位と権力の低下とみなされます。民主主義国家の政党は、ほとんどがボランティアによって運営されているようなものです。

中国ではその逆です。周は、政府公安大臣から共産党中央政法委員会書記になったことで、周の後任を務める孟建柱の上司になったわけです。新しい公安大臣は周の支配下にいるという具合です。

中国共産党には法律は適用されない

共産党が国家を支配しているので、国家機関は党を規制することはありません。政治的制度だけではなく、法的制度でも同じです。法律制度は共産党の指導下にあるので、実際、共産党が法律制度の上に君臨しているということです。

そしてこれは、汚職や政治腐敗といったわけではなく、国家の構造そのものなのです。共産党が裁判官、法廷の登記、警察、刑務所、検察官、捜査官、さらに弁護団まで、すべてを支配しているのです。

法律は共産党には適用されない為、中国の法律は他国とは異なる機能を果たしています。共産党にとって法律とは、基本的にプロパガンダであり、他国に対する公の顔、そして共産党以外の者への指令なのです。

中国の法律は共産党に指令を下すことは一切ありません。むしろ、法律とは、中共が任意に決める規範を隠し、共産党以外の者に規律を押し付けるための、公に対する板張りに過ぎません。

中国共産党は法的権限なしに弾圧することができる

中共は国家の指揮を執るだけでなく、並行して別の国家を運営しているのです。法律や裁判所の関与なしに、共産党は弾圧を行うことができるのです。場合によっては、定める法なく任意に、警察や刑務所を利用します。もっとも共産党には、弾圧に従事する幹部役員や拘置所まであります。

私が初めて法輪功の弾圧を知った時、法輪功は法律上禁止されたものだと思っていました。実際には違いました。大規模な法輪功学習者用の拘置所があるにも関わらず、法輪功を禁止するという法律はどこにもありませんでした。

法輪功学習者の中には、法輪功を学習した事への罪ではなく、架空につくられた罪によって起訴され有罪判決を受けた人もいます。社会的秩序を乱した等、共産党に都合よく作られた、あいまいな罪のために起訴されているのです。

共産党の役員が、法律は尊重されなければならないと主張し、法輪功の弾圧を正当化することは非常に一般的ですが、実際は、尊重すべき法輪功禁止の法律は存在しないのです。

オリンピックでの例をあげます。2007年11月8日、北京五輪の際、聖書が禁止されたとの記事に対し、北京五輪報道センター主任の李湛軍氏は、選手や観光客個人の信仰のための聖書などの中国への持ち込みは許可されるとしました。その上、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンズー教、仏教の神事、礼拝などは選手村で選手のために用意されているとの発表でした。しかしながら、李氏は、法輪功はそれに値しないとし、「法輪功の書物や活動は中国全土で禁止されている。中国へ訪れる外国人はこの法律を尊重しなくてはならない」と述べています。

同様に、膨大な規模で中国全土に広がっている法輪功学習者弾圧専門機関「610弁公室」について知った時、私は最初、国家機関だと思っていました。610の名称は、共産党幹部が法輪功を弾圧すると決めた1999年6月10日にちなんでいます。前の呼び名は「邪教問題予防処理指導小組弁公室」でした。

しかし「610弁公室」は国家機関ではなく、共産党機関だったのです。共産党が国家役員に、法輪功についての対処方法、逮捕・拷問・釈放の基準を指示しているのです。

さらに数はひとつに留まらず、中国全土に組織的に張り巡らされている多数のオフィスから構成されています。全ての警察署、政府組織と官僚機関に「610弁公室」は構えられています。これは党と平行した組織であり、中国全土に広まっています。

中国共産党の資本主義への移行は、道徳観の空洞を作った

中国での社会主義から資本主義への移行は、道徳における空洞を生み出しました。共産社会主義は経済的には意味をなしませんでしたが、単純な道徳基準はありました。「それぞれの資力に応じて貢献し、それぞれの必要に応じて受け取る」という基準で、共産社会主義とは個人に対して共同体が優位であることを説くコミュニタリアニズムだったのです。

しかし、資本共産主義ではこの道徳基準が消え、収入の膨大な格差が生まれました。資本共産主義とは、市民が富を累積することを許す代わりに、共産党幹部が権力の座にとどまるという交換条件で成立しているのです。

法輪功は、社会主義を捨てることで生み出された道徳観の空洞を埋める役割を果たしました。中国古来の精神性と気功の伝統を現代に受け入れやすく融合したものです。明白な3つの道徳理念、真・善・忍が法輪功の特徴です。

共産党は当初、健康に良い上、国の保険費の軽減にもなるので、法輪功を奨励しました。しかし、法輪功の急速な普及と絶大な人気は、中国共産党の掲げる至上のイデオロギーを脅かすのではと危惧するようになりました。これが弾圧へとつながります。この弾圧は実質的には道徳に対する弾圧でした。法輪功弾圧により、中国は道徳上の指針を失うことになります。

中国共産党は優先的に法輪功を弾圧する

中国共産党にとって最も重要なことは権威の座にとどまることです。社会主義から資本主義に移行したことによって、共産党支配の目的がなくなりました。中国共産党の目標は、政権の継続以外にはありません。今日の中国における共産党は、それ以外の何ものでもないのです。

中国共産党にとって政権継続における最大の脅威は法輪功でした。法輪功弾圧は中国共産党にとって数多くの政策のうちの一つではなく、最優先事項となったのです。経済成長などの他の政策は二の次となりました。

中国共産党は法輪功を組織と見なしている

中国共産党の法輪功に対する見解は、実際の法輪功とは異なっています。共産党は、法輪功を隠れた「教祖」が操っている組織だと見なしています。

しかし実際の法輪功は動作を通じて行われる精神修養の功法であり、インドのヨガのようなものです。

法輪功学習者の中には自発的にボランティア団体を始めたり、参加したりする者もいます。煉功場で法輪功を学ぶ者もいます。法輪功はいつでもどこにいてもどんな人でも煉功することができ、いつでもやめられます。というのは、法輪功を学ぶために何かに入会したりお金を支払ったりする必要はなく、強制されることもないのです。

共産党はこの存在しない組織を一番の敵とみなしました。法輪功弾圧は中国共産党の妄想と偏執に基づくものなのです。

中国共産党による法輪功迫害の動機とその正当化にはギャップがある

共産党による法輪功迫害の動機と共産党による公の場での正当化には、かなりのギャップがあります。法輪功は大衆に人気があるから共産党は迫害するのだ、ということは言いません。法輪功の信用を失わせるために、誹謗中傷をでっち上げるのです。

法輪功弾圧の様々な誹謗中傷は「法輪功は邪悪なカルト」としてまとめることができます。「悪いカルト」ということは「良いカルト」もあることを示唆するのでしょうか。多くの中国共産党の言語のように意味をなしません。この誹謗中傷には自殺誘発、資金隠蔽、強制売春、獣姦、死姦、吸血などが挙げられます。

言うまでもありませんが、これらを裏付ける証拠は一切ありません。法輪功は「良い」「悪い」にかかわらず、カルトではないのです。法輪功学習者は各々の地域社会で普通の生活を送っています。世界のどこにでもみられる生活であり、日課として気功の動作を行い、法輪功の道徳的な教えを守っていこうと願う以外に、ごく普通の隣人と変わるところはありません。

中国共産党による法輪功に関する描写は、実際の法輪功とは全く異なっています。このことは、逆に共産党とは何かを語るものです。事実に基づくかどうかにはお構いなく、あたり構わずに好きなように描写します。法輪功が道徳的なものであることにはお構いなく、中国共産党は何でも好きなことをする、ということに容易に気づかせてくれます。

迫害に関しては党内は不統一

法輪功迫害の決定には党内での満場一致の合意があったわけではありません。当時の江沢民元主席が党首として迫害を推進しましたが、多くの反対もありました。迫害以前は党内でも法輪功は広まっており、有益で少なくとも害のない法輪功への迫害は、残虐であり無意味であるというのが多くの党員の受け取りかたでした。

党内の「610弁公室」(法輪功学習者弾圧専門機関)は、江沢民と取り巻きのためのもう一つの権力構造として設置されました。党内の江沢民派にとって、法輪功の弾圧は、党全体にわたる統制の触手を広げる手段となったのです。

江沢民は法輪功が脅威にはならないことを知りつつも、法輪功の優越性に対しての恐怖 を抱いたということは、退陣後も党を統制する手段を維持するために、はかった戦略だったのでしょうか? それとも本当に妄想に取り憑かれていたのでしょうか? 答えはどうあれ、理に適った説明なしで法輪功が弾圧されたという結果は同じです。

党内の権力争いは法輪功を中心に展開

法輪功の弾圧が始まって以来、党内で迫害を阻止しようとする分子が生まれました。江沢民の権力下で党員が江沢民派と反対派に分裂したのです。派閥はイデオロギーに基づくものでした。法輪功弾圧は党内に亀裂を生み出しました。江沢民に次ぐ法輪功迫害の指揮者が、江沢民派を熱く支持する薄熙来であったことも決して偶然ではありません。

文化大革命後、中国共産党は、イデオロギーの違いに基づく権力争いは党にとって有害であるとしました。その代わりに原則的に分裂要因とはならない汚職という職権乱用が対象になりました。

江沢民の後継者は胡錦涛でした。自身を「調和をもたらす者」としていましたが、彼にとっての「調和」は世論を受け入れることではなく、各派が極端な論争に巻き込まれるのを防ぐということです。

習近平は胡錦濤のように控えることなく、江沢民派を精力的に追及しました。江沢民派数百人が汚職の罪で摘発され拘束されました。汚職が真実の場合もありましたが、汚職摘発の面だけを考慮すると独断的でした。標的となった江沢民の手先は必然的に法輪功迫害の幹部だったのです。

汚職・腐敗摘発により法輪功迫害の幹部が取り除かれたことをきっかけに、法輪功迫害自体が衰退するという希望を語った人もいました。しかし、いまのところ法輪功迫害を廃止する兆しは見られません。

習近平が法輪功迫害の中核を追放しているにも関わらず、法輪功迫害が未だに続いていることは奇妙なことです。党の制度に迫害が浸透していることがその理由の1つかもしれません。迫害の中核が消えても迫害は引き続き機能することを示唆する者は多くいます。もう1つの理由として、習近平の目標は迫害を終わらせることではなく、江沢民が主席の座から降りたあとも党内の権力を維持するために構築した指示系統を終わらせることにあるからかもしれません。

残虐行為につながる党による法輪功の非人間化

非人間化と残虐行為は、迫害において共通事項です。迫害はほとんどの場合、暴言から始まるのです。

法輪功弾圧はこの共通性を示す典型例です。法輪功の現実と党の掲げた反法輪功プロパガンダは実に対象的です。党による法輪功の描写(邪悪なカルト、吸血など)は、真実ではありません。法輪功をよく知らない人にとっても、真実でないことはすぐに分かります。

この極端なケースでさえ、暴言と暴行の関連性が実証されます。党にとっては暴言と暴行を許可されていることが重要なのです。

刑務所や病院は、法輪功学習者を臓器摘出のために殺害しても免責されることを知っています。党の法輪功に対するプロパガンダがそれだけ悪意に満ちているからです。刑務官に「お前は人間ではない。我々はやりたいように何でもできるのだ」と言われたと、私とデービッド・キルガーは、刑務所そして中国から脱出した法輪功学習者から聞きました。

デービッド・キルガーと私は、調査員を通して、臓器移植手術を待つ患者の親族を装い、気功をする法輪功学習者の臓器が健康であるとして法輪功学習者の臓器が入手可能かを尋ねる電話を病院に入れました。少なくとも私たちがこの捜査を始めた当初は、病院は調査員に臓器のために法輪功学習者を殺害していることを当然のことのように認めました。中国人が、党の法輪功に対する激しい非難を認識した上で電話を入れていると信じ込んで回答されたものでした。

共産党の露骨な不誠実さ

私にとって中国共産党の不誠実さは、驚くべきものでした。別に共産党が誠実であると思っていたわけではありません。しかし、自分を正直に見せかけようともしないことに驚きました。現実社会の常識基準に合わせようとすることは一切ありませんでした。

法廷弁護士として、人々が自分に同意しないことには慣れています。しかし、中国政府と我々の報告書の内容に対する見解の食い違いは相当なものでした。中国政府はことあるごとに「妥当」路線を避け、「言語道断」の方向へと落ちていくのです。

中国政府の所業を示す一つの例を挙げます。2007年5月30日、臓器移植に関するシンポジウムに参加するため、イスラエルのテルアビブ近郊にあるベイリンソン病院に行った時のことです。法輪功修煉者からの臓器収奪に関するデービッド・キルガー氏と私の報告書について、駐イスラエルの中国大使館がシンポジウムで次のような声明文を配布しました。
「情報源のない口頭による証言、検証不可能な証人、「おそらく」「可能性」「多分」「と言われている」などの説得力のない帰結を示す多くの言葉。これら全ては報告書の真実性に疑問を呈するものです」

しかしすべての陳述が検証可能であるということは、報告書を見るだけで明らかです。情報源の確認できない証言はありません。証言の引用には必ず身元を明かしています。この問題に関与していない独立した調査者と協力しながら、調査は進められました。

報告書はインターネットに掲載されており、ワードサーチが可能です。「おそらく」「可能性」「多分」「と言われている」(“probably”, “possibly”, “maybe” , “it is said”)という言葉を検索してみれば、これらの言葉が一度も使用されていないことが明白になります。

中国共産党による系統的な隠蔽工作

もうひとつ私が驚いたことは、系統的な隠蔽工作です。時間の経過とともに慣れてはきました。法輪功学習者が臓器のために殺害されたという結論を裏付ける中国からの証拠を見つけるたびに、その証拠が姿を消すのです。外部の人が確認できるよう、電子データはアーカイブに保存しました。しかし、中国国内の人たちにとっては、闇に葬られた手の届かない情報となりました。

いくつか例を挙げましょう。
• 中国では心臓、肝臓、肺、腎臓の4つの移植登録を管理しています。病院が直接、登記所に報告します。心臓、肺、腎臓の登録簿は中国本土にあり、決して公表されることはありませんでしたが、肝臓の集計データは一般公開されていました。しかし、私や他の調査者がそのデータを引用し始めたら、一般からのアクセスは閉ざされてしまいました。

• 中国国内で臓器移植を終えた外国人患者に対して、母国で術後のケアをする医師のために、投薬の種類と用量、標準検査の結果、臨床の要約、術後の結果についての手紙を医師が発行していました。2006年の7月、デービッド・キルガー氏と私が、中国での臓器移植濫用についての報告書を発表して以来、このような手紙は一切発行されなくなりました。

• 病院のホームページは移植手術の待ち時間が短いことを宣伝していました。移植ツ―リストを対象とする中国の公式サイトは、様々な臓器の価格をUSドルで宣伝していました。デービッド・キルガー氏と私が報告書を発表すると、この手の宣伝は消えました。

中国共産党は語彙をゆがめる

中国共産党は標準的に使われる言葉に、党にとっての別の意味をもたせます。標準の言葉に標準でない意味を付随させて解釈しなければならないので、誤解は避けられません。党が何を意味するかを理解するには、党が言葉に付随させている特殊な意味を知る必要があります。

中国共産党にとって、移植臓器の「自主的」なドナーには、ドナー制度の手続きを踏んだ受刑者が含まれます。臓器の「寄贈」とは、家族が合意するように金銭を支払うことを意味します。「透明性」とは、病院は受刑者からの臓器調達をしていないと発表することを意味しています。「法の支配」とは、病院が自主的に行動するのではなく、中国共産党と国家の医療制度が管轄するという意味です。「今すぐ」受刑者からの臓器調達を停止するというのは、「最終的に」受刑者からの臓器調達を停止するという意味です。中国共産党役員の言葉を査定していく上で、党は自分たちの望む意味を付随させて言葉を再定義していることを念頭に置く必要があります。

中国共産党の海外での宣伝活動

党のプロパガンダは、聞き手にとって選択肢のない中国の国内だけに留まりません。海外へも触手をのばしています。海外でのプロパガンダは反論される可能性もありますし、国内で流すプロパガンダほど効果的ではありませんが、インパクトはあります。

法輪功学習者が会う政治家や公務員、また学習者を取材するジャーナリストは、たいてい反法輪功を流布するスパムを受け取っています。そのスパムを率いるのがチャールズ・リウ(ボビー・フレッチャーの名も使用)です。リウ(またはフレッチャー)は、中国政府を100%弁護し、1989年の天安門事件の否定など、中国政府の立場をそのまま受け売りしています。電子メール、ブログ、ディスカッショングループ、編集者への手紙を通して、法輪功の信用を失わせることに注力しています。「ウェスタン・スタンダード」紙は下記のように報道しています。
「リウ氏の行動は、中国政府が過去に行った偽情報の流布を追随するものである。虚偽や誤解を生じやすい情報を故意に流し、矛盾する情報説明のなかで混乱や不信感を煽るなどがその典型だ」

中国政府は国外で、中国語と現地語の両方で書かれた新聞を発行・配布していますが、これは反法輪功プロパガンダの戦略に他なりません。カナダの「ラ・プレス・シノワーズ」(La Presse Chinoise)紙の例を挙げましょう。

「ラ・プレス・シノワーズ」は発行部数6000部程度のモントリオールの小規模新聞です。しかし2006年8月に32ページの新聞を発行し、100,000部をカナダ全域に配布しました。広告はひとつもなく、無料で配布されました。ニュースは一切なく、ただ法輪功を攻撃する記事が掲載されているだけでした。中国政府から資金提供されたことは記載されていませんでしたが、「大紀元」紙のマーク・モーガン氏による調査報告に明示されています。

中国大使館・領事館の役員は、集会などで反法輪功のチラシを手渡しています。カナダのアルバータ州カルガリーの職員が配った反法輪功のチラシから、中国領事館が増悪犯罪を犯している疑惑調査が発生しました。2004年6月、エドモントンのアルバータ大学で開かれたアメリカ家族財団の協議会で、中国領事館の職員が反法輪功のチラシを会場の外に置きました。エドモントン警察署は中国領事館の職員、曹建業(Cao, Jianye)とウ・ジュンイ(Wu, Junyi)の二人を増悪犯罪容疑で起訴することを勧告しました。

電子メディアにも同様の例があります。中国中央テレビ衛星放送局CCTV4が、カナダにデジタルベースで放送する許可を求めたことがありました。2006年12月22日にカナダ・ラジオテレビ通信委員会は、この放送局が過去に法輪功を罵倒し、増悪や軽蔑を扇動し、さらに法輪功学習者を身の危険にさらすような暴行の扇動をした経歴があると結論付けました。同委員会は、CCTV4が罵倒的なコメントを出した場合、カナダのデジタル配信認定者リストから除籍するという警告付きで、この申請を受け入れました。

中国政府は大使館や領事館で、反法輪功のメッセージの表示を公に行います。例えば、カナダのトロントでは、中国領事館内でビザの申請のために人々が並ぶ場所で、一連の反法輪功のポスターが壁に貼られています。『カルトとの闘い、人権擁護を訴える』と題された展示で、ポスターには「法輪功は災難」と書かれています。

国外にいる中国人にも嫌がらせする中国共産党

中国は選んだ標的を徹底的に追い詰める点においては、他の不快な人権侵害者と共通しますが、その他の点ではかなり異なります。

ほとんどの国では、国内では対象団体を抑圧しますが、一度出国したら国外まで追いかけることはありません。実際、不快な人権侵害をしている政権の中には、敵対する対象が国外に行くことを歓迎するものもあります。国内で問題を起こすことがなくなるからです。

中国政府、そして中国共産党は、その幻想の敵に対し世界全域に抑圧する点で、実に独特です。このフォーラムの題名は「中国はどこにでもいる」です。中国共産党は中国国内だけの問題ではないのです。これは、世界の問題でもあります。

中国政府が海外で、法輪功学習者を独断で留置したり、信念を諦めさせるために拷問したり、臓器のために殺害することはありません。しかしそれほど過激な方法でなくても、法輪功の抑圧は、中国政府にとって世界規模の活動なのです。

中国はスパイ活動、つまり、法輪功の情報収集活動に従事しています。亡命した中国人達は、このスパイ行為、そして法輪功についての情報収集が世界中の中国大使館の第一任務であると述べています。世界中の法輪功学習者は中国政府の監視下に常に置かれています。この情報収集活動とスパイは法輪功学習者のプライバシーの侵害です。実際は、プライバシーの侵害に留まりません。

法輪功学習者からの報告によると、嫌がらせの一つが、録音メッセージによる絶え間ない電話です。これは法輪功を悪魔化する中国語と英語の3分間の録音メッセージで出来ており、中国愛国歌も含まれています。

学習者の中には1日に25回電話を受けた者もいます。電話は自宅、携帯電話、職場にもかけられてきます。そして留守番電話をメッセージで埋め尽くします。使用量で料金が決まる携帯電話のコストは馬鹿になりません。あまりにも頻繁にかかってくるので、電源を切らざるを得ません。

電話源は中国本土からなので電話会社や警察に苦情を出しても何も解決されません。国外の警察や電話会社はこのような電話に対して何もできません。

法輪功学習者は電子メールをハッキングされることもあります。インターネットプロバイダーを通じてどの場所から電子メールにアクセスされたかを把握することができますので、法輪功学習者が問い合わせたところ、これまで行ったこともない場所から電子メールがアクセスされていました。

中国政府が諜報活動で収集した情報の利用法の1つが、法輪功学習者や連絡先に電子ウィルスを送り付けることです。2007年、APEC首脳会議と並行してNGOのイベントで講演する際、オーストラリアの訪問手配の過程で、連絡先に入っていた私もウィルスを送りつけられました。IT技術専門家は、ウィルスの発信先を中国本土まで追跡しました。ウィルス発信者は、連絡先リストの一人として装うことで、ウィルス付きのメッセージを知り合いからのものに見せかけたのです。

幸いにも私の使用するシステムのおかげでコンピューターには感染しませんでした。感染した者もいました。法輪功学習者が受信するウィルスの発信元が中国本土であることは珍しくありません。

法輪功に関する情報を掲載するウェブサイトは中国からサイバー攻撃を受けています。例えば、ある法輪功関連のサイトのミラーサイトをホストするベストネットというウェブサイトは、1999年7月30日に「中国国内からの発信とみられる」DoS攻撃を受けたと報告しています。ウェブマスターのジョン・ウォーカー氏は「中国政府は国境内を支配するために威嚇を用いるのかもしれないが、このサイバースペースでは見逃すわけにはいかない」と記述しています。

DoS攻撃とは、不完全なデータを大量に送りつけ、最終的に相手方の機器をクラッシュさせるものです。インターネットプロトコル(IP)アドレスを追跡したところ、そのIPアドレスの所有者の氏名と住所まで割り出せました。所有者の名前は認証できませんでしたが、住所は中国公安省の本部でした。

共産党は迫害の目的で権力を国外で行使する

国家を代表する中国政府は、国外で権力を行使できます。中国共産党はその権力を迫害の目的に利用しています。

中国政府が法輪功学習者と認定した国外に居住する中国人は、法輪功を放棄することを文書として示さない限り、パスポートの更新を拒否されます。私はデービッド・キルガーとの共著による中国での臓器収奪に関する報告書の提言を促進するため、30カ国以上を訪れましたが、その過程でパスポートの更新を拒否された多くの法輪功学習者に出逢いました。法輪功学習者であることが更新拒否の理由であると大使館から告げられていました。

中国は査証による出入国管理システムを法輪功抑圧のプロパガンダに利用しています。中国で法輪功学習者として知られている人々は中国からの出国が許されません。

個人的に他の法輪功学習者に会うという害のない目的でも、法輪功学習者として知られる者や、法輪功に好意的な者の入国は許されません。香港でも同じことが起きており、2003年2月、香港で開かれた体験交流の会議に出席する70人以上の台湾人法輪功学習者が入国を拒否されました。

中国政府に好意的と特定された報道関係者には、全経費を当局が負担する豪華ツアーが与えられますが、中国の人権侵害事項を報じる可能性があると特定された報道関係者には入国ビザの発行が拒否されます。2005年1月に中国を訪問したカナダのポール・マーティン首相に同行した新唐人テレビ(中国の人権問題を報じるテレビ局)の記者、ダニエル・ジューとデービッド・レンは発行されたビザを取消されました。PENカナダがこの取消しに抗議しましたが、効果はありませんでした。

中国政府は、事業取引相手が法輪功学習者でないように要求しています。例えば、カナダ政府はカナダ国際開発庁(CIDA)を通じて中国でのプロジェクトに融資していますが、CIDAの融資を受けるカナダの企業は、拠出契約に基づき中国に融資するプロジェクトにカナダ市民の法輪功学習者が参加することを認めてはならないと、融資先に義務付けています。

中国共産党は国外でも検閲を試みる

国外の中国政府と中国共産党は、大使館の職員を利用して中国政府/中国共産党の人権侵害を批判する言論の封鎖を試みており、公開討論会やメディアに向けられています。

臓器のために法輪功が殺害されていることについての講演やアポが、土壇場でキャンセルされたことは世界中で幾度もありました。この内、中国領事館または大使館の要請に応じたものではないキャンセルは一件だけでした。

この例外は、2007年11月にデービッド・キルガー氏と私が行った調査に関するドキュメンタリーの放映をカナダのテレビ局CBCが取りやめたケースです。CBCはプロデューサーのピーター・ロウの異議を退け、独自に見直し、改訂版を報道しました。

中国側の要請に応じた典型的な事例として、米サンフランシスコ州立大学と豪ブリスベンのボンド大学での取消が挙げられます。2008年4月、私はサンフランシスコ州立大学での講演を予定していました。イベント主催者はサンフランシスコ・クロニクル紙に広告を出しましたが、講演直前に大学側が会場をキャンセルしました。

主催者はイベントを近くのホテルに変更しましたが、大学側が会場変更ではなくイベント中止の発表をしたため、主催者はボランティアを配置して参加者を大学からホテルまで誘導しなければなりませんでした。

また、2008年8月4日、オーストラリアのゴールドコーストにあるボンド大学での講演を予定していました。7月7日に大学職員を通して予約され、上層部の承諾を得たので大学側は生徒と職員に学内で通知すると伝えられました。主催者も、許可が下りたのでキャンパス中にポスターを貼って講演を宣伝しました。しかし、講演まで一週間を切った7月28日、会場が使用できなくなったという通知が電子メールで主催者に伝えられました。副学長は電話で、何を言われても最終決定であると言い切りました。

キャンセルする人々は、中国政府からの要請があったことは通常、語りませんが、キャンセルに応じなかった人達は、中国領事館から緊急中止を求める丁寧ではない電話が来たことを認めています。ここでイスラエルでの事例を挙げましょう。

2007年5月に予定されていたイスラエルのベイリンソン病院の臓器移植フォーラムでの講演前の日曜日にイスラエルに到着したところ、中国大使館がイスラエル外務省に講演中止を要請したと聞かされました。アヴィ・ニル(Avi Nir)外務大臣代理補佐とボズ・レヴ(Boz Lev)保健相代理補佐は講演会場のベイリンソン病院に中止を依頼しましたが、病院側は拒否しました。外務省はプログラムが継続するとしても、私への講演依頼は取消すよう病院に求めました。病院側はそれも拒否しました。

外務省と保健省はその後、法輪功学習者ロイ・バー・イラン(Roy Bar Ilan)への閉会式のパネリストとしての招待を撤退するように病院に求めました。彼の名前はプログラムに掲載されていましたが、病院側はこの要請には応じました。

2006年8月、オーストラリアを訪れたデービッド・キルガー氏は自由党のビクター・パートン氏主催のメルボルンのフォーラムで報告書に関する講演をしました。メルボルンの中国領事館は立法議会のすべての議員にこのフォーラムに参加しないように要請する文書を送りました。

同様に2006年9月、国会人権委員会との会合でフィンランドを訪れた際、私との会談を避けるように中国大使館から電話があったことを議長が伝えました。人権委員会は中国大使館の高官とは別に会うことを歓迎すると答え、私との会合を変更することはありませんでした。

中国政府が阻止を試みても講演が開催される場合は、人々が参加しないように試みます。中国大使館や領事館からイベントや法輪功を中傷し不参加を促す手紙が著名人や高官に送りつけられます。

中国による検閲の遺憾な例として、新唐人テレビが主催する壮麗なダンスツアーに対する世界的な妨害活動が挙げられます。スウェーデンの中国大使館がストックホルム市とリンシェーピング市の役員に対して、団員が法輪功とつながっていたという理由で、 2008年1月に公演予定のダンスツアーの取消を要請した事例があります。

韓国のソウルとプサンでの妨害は成功しました。2007年、ソウルの二会場、韓国国立劇場とコンベンション&エキシビションセンターが中国大使館の圧力に屈し、ダンスカンパニーとの契約を打ち切りました。コンベンション&エキシビションセンターは提訴され、後日無事公演が行われました。2008年、プサンにある韓国放送公社(KBS)の劇場も同様に中国政府の抗議を受け、ダンス公演の契約を撤回しました。

中国総領事館は、ニューヨークのマイケル・ベンジャミン議員にダンス公演をどのような形でも支援しないようにと2007年12月11日の手紙で要請しました。ベンジャミン議員は鑑賞を表明し、その手紙を公開しました。

海外で隠れ蓑を利用する中国共産党

中国共産党は、必ずしも党または中国政府として行動するわけではありません。無害に見える機関を設立し、このような機関を通してメッセージを発信することもあります。これらの機関は名目上、中国政府から独立していますが、事実上は政府代行の役割を果たしています。

多くの大学には現地の中国大使館・領事館と緊密に繋がる中国人学生の組織団体があります。中国政府は、出国ビザの拒否や中国の家族への威喝を通して学生を脅迫し、クラスメイトを偵察させ法輪功への嫌がらせをけしかけています。

2007年4月、コロンビア大学とプリンストン大学で講演した際に、実際にこのような 活動を目にしました。コロンビアでは「コロンビア大学中国学生・学者連合会」がウェブサイトに「中国を侮辱するものはどこにいても処刑される」と掲載していました。私の講演中に赤い旗と横断幕を持って団体が現れました。警備がそれらを外に置くように要請しましたが、「法輪功は邪悪なカルト」と英語と中国語で書かれたプラカードを掲げていました。学生を召集し、私の講演中に読み上げ反応すべき言葉を記したメールをその後入手しました。私の講演内容が気に入らなかったようで、一同は途中で退出しました。プリンストン大学でも同様の抗議がありました。この時は、中国政府の代行者は、私の講演する部屋の後ろでポスターを掲げることを認められていました。

中国政府はまた大学に「孔子学院」設置の助成金を与えています。名目は中国の研究ですが、一度設立すれば中国政府のための偵察機関となり、法輪功の活動を禁止するようテコ入れします。

「孔子学院」をどのように利用するかは、資金提供する中国大使館・領事館が決定します。一度設立されると中国人職員は、学内での法輪功活動の情報を収集する中国政府の指標となると報告する大学を訪れたことがあります。

2008年、テルアビブ大学は法輪功に関する絵画展を撤去しました。東アジア研究学科のヨアヴ・アリエル(Yoav Ariel)教授は中国大使館の要請のため絵画展の撤去を命じたことを認め、交換留学制度を提携する中国の大学との関係を考慮しなければならないと語りました。テルアビブ大学は中国政府の基金により「孔子学院」を2007年に設立しています。

中国共産党の国外での脅迫活動

中国共産党は中国政府の政治・経済の威力を利用して、自己の目的達成のために国外で展開しています。共産党は中国の権威を周囲にふりまわす悪漢です。

カナダの中国代理公使からジム・ピーターソン議員宛の2003年3月付の手紙には、「カナダと中国の両政府間の全体的な関係において、(法輪功が)デリケートな問題であることを念頭に置くように」と書かれていました。つまり法輪功の窮境に同情するようなことがあれば、中国=カナダ間の関係に悪い影響を及ぼす可能性があるという意味です。

トロントの中国領事館は2004年、市議会議員に対し「法輪功週間」の制定を緊急に阻止するように要請しました。その文書には「阻止出来なければ、将来の両国の有益な交流・協力に悪影響を及ぼす」と記されていました。トロント市のマイケル・ウォーカー市議会議員は、悪影響を及ぼす項目として、カナダ製造の原子炉CANDUの中国への売却、カナダ企業ボンバルディアによるチベット乗り入れ鉄道の建設、メトロ・トロント動物園へのパンダ2匹の貸し出しが危うくなることが言及されたことを耳にしています。

『大紀元』に広告を出す企業も脅迫電話を受けていると報告されています。一般のために新聞の配給地点を提供する企業も同様に脅迫されています。

『大紀元』は世界で広く配布されている一般紙ですが、中国での人権侵害問題に焦点をあてています。多くの法輪功学習者がこの新聞に関与しています。

法輪功を中傷し、『大紀元』への関わりを続ける場合は事業が損失すると、広告主や配布企業に電話で警告が入ります。イギリスのある旅行会社は、『大紀元』に広告を出し続けるならば、中国の航空会社との予約を受け付けないと警告されました。電話の主は中国政府を代表するとは語りませんでしたが、このように脅迫する立場にあるものは中国政府の代理以外には考えられません。

これらの警告には効果があり、電話の圧力がかかるようになってから、『大紀元』は広告や配布地点の取下げを報告しています。英国では、このような電話について英国外務省に苦情を出しましたが、外務省は電話があったという十分な証拠がないとして措置をとることを拒否しました。

国外で党の路線に寄り添う者に恩恵を与える中国共産党

中国政府の期待に応えようとして個人が自ら動くケースも少なからずあります。このような個人は中国共産党の路線に寄り添って行動しています。

中国国外において、中国共産党が法輪功に強迫観念を抱いていることは明白で、法輪功を中傷するプロパガンダの流布や迫害の事実の露呈を阻止するための介入は、きめ細かいレベルで行われています。しかし、中国政府が率いる人権侵害のすべてに沈黙することは、中国政府の要請に協力してのことだと片付けることは極端な解釈ではないでしょうか。

世界の大学に設置されている中国研究科は、ほぼ例外なく、法輪功に関する学術課程、研究プロジェクト、刊行物、外部者を招いての講義を設けていません。法輪功に対する迫害の事実ほど中国について語るものはないにも関わらず、世界中の大学の中国研究科は、法輪功の迫害については一律に沈黙し、法輪功を努めて無視しています。

中国でこれほど中核的な問題を大学が取り上げないことは、無知からくるわけではありません。中国の反感を買いたくないからです。中国を研究する学者は、自身の研究を続行するためには少なくとも中国への入国ビザを必要とし、中国政府からの協力は避けられないと感じています。協力を確保するために、中国政府がタブーとする話題を避けます。学者は法輪功に対して中国政府の一線を越えないようにしているのです。一線を越えれば中国政府は逆上するので、それを避けるために何も言わないのです。

人権問題を中国と討議することは無意味

国連人権理事会、人権委員会の前任者は、中国での人権問題を改善するための決議案が(採択されなくても)提示されるのを見てきました。中国政府はこれらの決議案を交渉により捨てさせました。中国に対する人権擁護の決議案の提案を破棄する代わりに、両国間の人権討議を提供してきたのです。決議案の提議者はすべてこの悪魔の取引に乗ってしまいました。

討議が始まってからかなりの年数が経過しました。カナダの研究者チャールズ・バートン氏は、2006年4月、カナダ外務省から、カナダ=中国の二国間人権討議を査定するよう要請を受けました。中国側の討議参加者は地位の低い役人で、文書を読み上げるだけで会合のほとんどの時間を費やしており、さらにその文書は毎年同じだったことが明らかになりました。これらの討議は中国で実際に起こっていることと関連するものではありませんでした。中国共産党の幹部は、内政の決断に対して外国に回答することが求められるこの討議は中国国家の威厳を侮辱するものとみなし、討議を真剣に捉えることに抵抗していたのです。

カトリン・キンゼルバック氏は欧州連合中国人権討議のなかで、同様の結論に達しています。「数年にわたり(中国の高官は)人権討議のプロとなった…定期的な内密の会合は、人権関連の質問・批判・勧告に対して、どのように従事し、どのように効果的に対処するかを一握りの中国政府の高官が集中的に養成される場を提供した」。無益な人権討議は法輪功に関する討議が同様に無益なことからも強調されます。数年におよび私が個人的に話した様々な政府外交に携わる多くの高官が、これらの討議で法輪功迫害の問題を定期的に提起しても無益であったと語っています。中国側は応答しないか無礼な態度をとるかであったと報告されており、これらの人権討議が法輪功の迫害を軽減することは全くありませんでした。

中国共産党は無礼な態度と甘い言葉の間を行き来するだけ。結果は変わらない

中国共産党/中国政府による人権侵害批判への対応は、無礼な態度と甘い言葉の2つに1つです。

共産党/国家が無礼な時は、党/国家の行動に対する批判を個人的に詳細に攻撃します。こちらの論理はまわりくどい言い方で応じられ、動かぬ証拠に対しては隠ぺいと否定で応えます。文化的な比較を振り回し、欧米の文化基準を国外の者が中国に押し付けようとしていると応えます。内政干渉と主張して義憤していると偽ります。

法輪功迫害に対する批判に対して、共産党/国家は典型的にこのように応答してきました。迫害そのものを否定します。しかし、その否定には法輪功への罵倒の言葉も伴うため、回答そのものが迫害を扇動するものであり、迫害が存在する証拠となっています。

共産党/国家が甘い言葉を使う時は「その通りです。原則には合意します。変革していきます。時間をください。ご指導お願いします。私たちはあなたたちほど経験がありません。技術的なノウハウがありません。中国にいらしてご指導ください」と応えます。

偽善とは邪悪により、徳は失われていきます。中国共産党にとって、偽善は自然なことです。法の施行は中国共産党の管理下にあるため、実践を変えずに法規は変更できます。法規を自分たちに施行することはありません。

中国が囚人から臓器を収奪してきたという批判に対する典型的な対応が甘い言葉です。法輪功という言葉が用いられず、囚人を臓器源とするという批判に限定されている限り、党/国家は、くみしやすい対応に出ます。

無礼な言葉と甘い言葉は、表面的なスタイルが異なるだけで、実質はありません。どちらの場合も実際の変化は起こらないのです。良い警官・悪い警官が交互に現れるにすぎません。

中国共産党に対しては政治的な圧力より同僚からの圧力の方が効果的

中国共産党は外部からの圧力をほとんど受け付けません。中国を変えるには、党の変革の必要性を印象づけさせることのできる国内の者にはたらきかける必要があります。

中国での臓器移植濫用を変えていく上で、同僚からの圧力は国外政府や政府間の圧力より効果的であることが判明しました。中国政府が他国政府や政府間機関の意見に対するものより、中国の移植医は国外の同僚の意見に対して遥かに敏感だからです。理由は明白です。

中国での移植専門医は、国外の同僚とのつながりを通して技術を学び自分の地位を築き上げてきました。さらに、移植医らは、中国政府と比べ中国共産党との関係がかなり希薄です。

中国の公式医療刊行物である『メディカル・トリビューン』誌の記事で2014年10月30日、杭州での医療移植大会で黄潔夫が開いた記者会見を報道しています。中国での臓器移植濫用についての多くの国外での批評に言及したものです。

黄潔夫は同誌に、国外での批判は意味をなさない噂であるとしています。「時間とともに真実が明かされる」と語り、「正義は遅れるかもしれないが、欠如はしない」と名言しています。

黄潔夫は2014年10月30日になぜこの点を強調する必要があったのでしょうか? 中国での臓器移植濫用に関する証拠は数年にわたり累積しています。『メディカル・トリビューン』誌では2014年7月にサンフランシスコで行われた世界移植大会で、35名の中国人が倫理上の理由から参加を認めらなかったことを報道しています。2014年の杭州での移植会議でも、多くの移植専門医は参加しませんでした。1年前の2013年10月では、同じく杭州で行われた中国移植大会への国外の参加者は数多くいました。

2014年の杭州での移植会議では、多くの参席者が、国外の移植専門医がいないことを不思議がる可能性がありました。そこで黄潔夫は、彼らの欠席について説明し反論する必要性を感じたのでしょう。

2014年7月、サンフランシスコの世界移植大会への参加を断られた医師、また彼らが申請したのを知っている医師に対しても説明が必要でした。中国共産党は法輪功が臓器のために殺害されている証拠を無視することはできたとしても、中国の移植医が国際移植大会への参加を認められなかったり、これまで中国に来ていた国外の移植医がこなくなったことは無視できませんでした。

黄潔夫は世界で同僚が拒否されたことに苦情を語り、この不正行為は最終的には是正されると主張しました。無実の者を臓器のために殺害することへの世界の懸念を、自分と自分の同僚が締め出されたことへの苦情にすり替え、臓器のための犠牲者よりも自分たちが犠牲者であるとしたのです。中国共産党には、法輪功を犠牲にすることを是正する気配はありません。逆に移植医は世界に拒絶されたことで自分たちが犠牲者となったと語るのです。

過去の説明を拒否する中国共産党

中国共産党は、国内の勢力闘争での敗北者を汚職の罪で切り捨てることは進んでしますが、過去の犯罪行為に対する責任所在は追求しません。党幹部が悪行のため罪に問われることはあっても、党が決めたことに誰も疑問を抱くことはできません。

党は変化しますが変革はしません。新たな人権濫用へと移行し、これまでの濫用の記述方法を新たに書き換えるに過ぎません。過去に起こったことを暴露し、責任を問おうとする態度はみられません。

党が率いる濫用のはびこる臓器移植の分野では、この傾向は拡大されています。中国衛生部幹部の黄潔夫はインタビューで、次のように尋ねられました。
「処刑された囚人から臓器を摘出することに関与されたことはありますか?」
彼は次のように答えました。
「このページをすぐにめくり、現在を見据えていただくよう願います」
同じインタビューで次のようにも語っています。
「常に過去にこだわるべきではありません。死刑囚のページばかり懸念しています。そのページをめくって、未来をみてください…過去でなく、未来に目を向けるべきです」
「過去の恥ばかり見ないでください。過去に執着しないでください」

将来の濫用の最高の指標は、過去の濫用の免責です。過去の犯罪を無視して全てが良くなるという観念は、人の体験への否定に他なりません。

中国共産党は中国ではない

中国共産党は党への批判を反中国としてしまう傾向があります。デービッド・キルガー氏と私の調査に対する党が発した当初の批判は、我々が「反中国」であるというものでした。

中国共産党は中国の特定要素は持ち合わせておらず、逆に、西欧から輸入されたイデオロギーに基づくものです。ここで挙げた特徴は、旧ソ連やキューバの共産党と同様のものです。

法輪功の現象が中国共産党を震え上がらせた1つの理由に、法輪功が中国の伝統に基づくものであり、中国共産党はその基盤がないことが挙げられます。中国文化や伝統を学ぶよりも、旧ソ連圏での共産党の行動を学ぶ方が、中国共産党についてより深く理解できます。

結び

中国共産党を臓器収奪のために法輪功学習者を殺害するという側面からみるということは、望遠鏡で党を見るようなものです。全てが明確になります。通常、顕著ではない中国共産党の特徴が、浮き彫りにされます。決して美しいものではありません。しかし中国を理解したいと思う者は、中国共産党を直視し、実像を把握する必要があります。